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コラム

駐車場内の事故で過失割合はどうなる?ケース別の基本割合・修正要素・保険会社との交渉のポイントを弁護士が解説

2026.04.24

スーパーやショッピングモールなどの駐車場内で起きた事故は、「公道の事故とは違うルールが適用されるのでは」「どちらが悪いのかわかりにくい」と感じる方が多い場面のひとつです。実際、駐車場内の事故は通常の交差点事故などと比べて過失割合の判断が複雑になりやすく、保険会社との交渉でもめるケースが後を絶ちません。
本記事では、駐車場内の事故における過失割合の基本的な考え方・シーン別の割合の目安・修正要素・保険会社から提示された割合に納得できない場合の対処法まで、奈良市を中心に交通事故案件を多く手がける高の原法律事務所の弁護士が丁寧に解説します。
 

① 駐車場内の事故が「難しい」といわれる理由

駐車場内の事故は、一般道の事故とは異なるいくつかの特徴があります。まずその点を理解しておくことが、過失割合を考えるうえでの出発点になります。
 

道路交通法の適用関係が複雑

不特定多数の人や車両が自由に出入りできる駐車場は、道路交通法上の「道路」に該当すると解されており、同法のルールが適用されます。一方で、特定の施設の利用者しか入れないような私有地内の駐車場は、道路交通法が適用されない場合があります。
ただし、道路交通法の適用の有無にかかわらず、民事上の過失割合(損害賠償の責任割合)は、双方の運転状況・注意義務の程度などによって判断されます。「私有地だから相手が全部悪い」とはなりません。
 

徐行・安全確認義務がより厳しく求められる

駐車場内は、歩行者・子ども・他の車両が不規則に動き回る環境です。そのため、一般道以上に徐行義務と周囲への安全確認義務が強く求められます。交差点のように信号や優先関係が明確ではないため、双方が「注意すべきだった」と評価される場面が多くなります。
 

双方に過失が認められるケースが多い

駐車場内の事故では、一方が完全に0%という結果になることは稀で、多くのケースで双方に一定の過失が認められます。「どちらが悪いか」ではなく「どちらがどの程度悪いか」という視点で考えることが重要です。
 

② ケース別の過失割合の目安

駐車場内の事故といっても、状況はさまざまです。代表的なシーンごとに過失割合の目安を整理します。なお、以下の数値はあくまで基本的な目安であり、具体的な状況によって変動します。
 

ケース1:通路を走行中の車同士の出会い頭衝突

駐車場内の通路を走行中の車同士が交差点で出会い頭に衝突するケースです。一般道の交差点事故と似ていますが、信号がないため「どちらの通路が優先か」が判断のポイントになります。
 

状況 目安の過失割合
幹線通路(広い通路)と枝道(狭い通路)の出会い頭 幹線通路走行車:30 枝道走行車:70
同じ幅の通路同士の出会い頭 ほぼ同等 各50:50が基本
一時停止標識のある通路から出た場合 標識のある側:80 ない側:20

 
ポイント:駐車場内に「一時停止」の標識・表示がある場合は、その標識を無視して進んだ側の過失割合が大きく上がります。また、スピードを出しすぎていた・前方不注意だったといった事情も修正要素として加味されます。
 

ケース2:駐車スペースから出てきた車との衝突

駐車スペースに停めていた車が出庫しようとして、通路を走行中の車と衝突するケースです。これは最も発生頻度の高い駐車場事故のひとつです。
 

状況 目安の過失割合(通路走行車:出庫車)
バックで出庫してきた車が通路走行車に衝突 通路走行車:20 バック出庫車:80
前進で出庫してきた車が通路走行車に衝突 通路走行車:30 前進出庫車:70
通路走行車がかなりのスピードで走行していた場合 修正により通路走行車の過失が増加

 
出庫する側の車は、通路を走行している車を妨害しないよう十分な安全確認をしてから動き出す義務があります。特にバックでの出庫は後方視界が限られるため、より慎重な操作が求められます。その分、出庫側の過失が重くなるのが一般的です。
 

ケース3:駐車スペースに入ろうとした車との衝突

通路を走行していた車が駐車スペースに入ろうとした際に、後続の車や対向の車と衝突するケースです。
 

状況 目安の過失割合
入庫しようとした車が後続車に追突された 入庫車:30 後続車:70(急停車・ウインカーなしなら入庫車の過失が増加)
入庫しようとした車が対向車線から来た車と衝突 ケースによるが対向車:40〜50 入庫車:50〜60

 

ケース4:歩行者との事故

駐車場内での車と歩行者の事故では、歩行者保護の観点から車側の過失割合が大きくなるのが原則です。
 

状況 目安の過失割合(車:歩行者)
通路上を歩いていた歩行者と衝突 車:80〜90 歩行者:10〜20
歩行者が急に飛び出してきた 車:70 歩行者:30(回避困難な場合は車の過失がさらに下がることも)
歩行者が歩行者専用通路を歩いていた 車:90〜100 歩行者:0〜10

 
注意:子ども・高齢者が被害者の場合、歩行者側の過失割合がさらに低く(または0%に)なる傾向があります。車を運転する際は、特に子どもや高齢者の動きに細心の注意を払う必要があります。
 

③ 過失割合を変動させる「修正要素」

上記の基本的な割合は、あくまでスタート地点です。以下のような事情があった場合には、過失割合が修正(増減)されます。
 

修正要素 影響
著しいスピード違反(駐車場内での速度超過) スピードを出していた側の過失が増加
わき見・スマートフォン操作など前方不注意 不注意があった側の過失が増加
ウインカー(方向指示器)を出さなかった 出さなかった側の過失が増加
クラクションや警告なしに急に動き出した 動き出した側の過失が増加
被害者が子ども・高齢者・身体障害者 車側の過失が増加(歩行者への保護的評価)
夜間・視界不良にもかかわらず速度を落とさなかった 過失が増加
相手が著しい前方不注意だった 相手の過失が増加(自分の過失が下がる)

 
保険会社が提示してくる過失割合は、これらの修正要素が正確に反映されていないことがあります。「こちらの過失割合が高すぎる」と感じたら、当時の状況・ドライブレコーダーの映像・目撃者の証言などの証拠を整理したうえで、弁護士に相談することをお勧めします。
 

④ ドライブレコーダーの映像が過失割合の鍵を握る

駐車場内の事故では、目撃者がいないことも多く、双方の言い分が食い違うケースが頻繁に発生します。こうした場面でドライブレコーダーの映像は非常に強力な証拠になります。
 

ドラレコ映像で確認できること

 

  • 事故直前の速度・走行ルート
  • ウインカーを出していたかどうか
  • 衝突前に停車・減速したかどうか
  • 歩行者・他の車両の動き
  • 周囲の状況(看板・標識・駐車スペースの配置など)

 
事故直後の映像はすぐに確認・保存しておくことが重要です。上書きされると消えてしまいます。また、相手方の車にもドラレコが搭載されている場合があり、その映像の開示を求めることも有効な手段です。
 

事故直後にやるべきこと(駐車場内事故)

① 安全な場所に車を移動させ、警察・保険会社に連絡する
② 相手の氏名・連絡先・車のナンバー・保険会社名を控える
③ 自分のドラレコの映像をすぐに保存・バックアップする
④ 事故現場・損傷箇所・周辺の標識などを写真で記録する
⑤ 目撃者がいれば連絡先を聞いておく
⑥ 体に違和感がある場合は早めに病院を受診する
 

⑤ 保険会社から提示された過失割合に納得できない場合

事故後に保険会社から過失割合の提示が来たとき、「それは違う」と感じることは少なくありません。特に駐車場内の事故は判断基準が複雑なため、保険会社の担当者によって提示内容にばらつきが出やすい領域でもあります。
 

保険会社の提示が必ずしも正しいとは限らない

保険会社は自社の支払い額を最小化する立場にあります。そのため、提示された過失割合や損害賠償額が、法的に見て必ずしも適正とは言えないケースがあります。「保険会社がそう言っているから正しい」と即断しないことが重要です。
 

弁護士に依頼するメリット

弁護士に相談・依頼することで、次のようなメリットが期待できます。
 

弁護士に依頼するメリット 具体的な内容
過失割合の適正な主張 判例・基準をもとに、不当に高い自己過失割合の是正を求めることができる
慰謝料の増額 保険会社基準より高い「弁護士基準(裁判基準)」での請求が可能になる
交渉の代行 保険会社との煩わしいやり取りをすべて弁護士が担うため、精神的負担が軽減される
後遺障害等級認定のサポート 事故によって後遺症が残った場合、適切な等級認定を受けるためのサポートを受けられる
費用負担の軽減 弁護士費用特約(多くの任意保険に付帯)があれば、弁護士費用を保険でまかなえる

 
弁護士費用特約について:自動車保険に付帯されている「弁護士費用特約」を使えば、弁護士への相談料・依頼費用が最大300万円まで保険会社に負担してもらえます。等級も下がりません。ご自身の保険証券やカード付帯保険も含めて、一度確認してみてください。
 

⑥ まとめ

駐車場内の事故における過失割合は、状況によって判断が大きく変わります。要点を振り返っておきましょう。
 

  • 駐車場内でも双方に過失が認められるケースが多い。「どちらが悪いか」ではなく「割合」の問題
  • 出庫車・入庫車・通路走行車・歩行者など、当事者の立場によって基本的な割合の目安が異なる
  • 速度超過・ウインカーなし・前方不注意などの事情は修正要素として過失割合に影響する
  • ドライブレコーダーの映像は過失割合の立証に非常に有効。事故直後すぐに保存する
  • 保険会社の提示は自社に有利な内容になりやすいため、鵜呑みにしないことが重要
  • 弁護士に依頼することで、過失割合・慰謝料・後遺障害等級のいずれについても有利な交渉が期待できる
  • 弁護士費用特約があれば、実質的な自己負担なく弁護士に依頼できるケースが多い

 
「過失割合が納得いかない」「保険会社の対応が一方的で困っている」「ケガをしたのにどう対応すればいいかわからない」——こうした状況に直面したら、早めに弁護士にご相談ください。初動の対応が、その後の解決内容に大きく影響することがあります。

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