解決事例
青信号の横断歩道を歩行中、右折の車にはねられ身体を強打し負傷、8級の後遺障害が認定された事例
1.事故状況
Aさんが青信号の横断歩道を渡っていたところ、右折しようとした車の運転手がAさんを見落として横断歩道に進入しようとし、Aさんに気付いたもののブレーキとアクセルを踏み間違え、逆に加速しAさんに衝突しました。
この事故で、Aさんは脳挫傷の他に、主に両足全体に重大な損傷を与えられました。
Aさんは病院へ緊急搬送され治療を受け、4カ月余り入院し手術等の治療を抜けました。その後は通院での治療を受けていましたが、左膝通が続くためCT検査をしたところ、関節軟骨に大きな欠損があることが判明し、左膝の人工関節置換術を受け、リハビリを続けた後、退院しました。右足についても、脛骨の変形矯正のための手術を受けました。
その後もAさんは通院による治療を継続し、事故から2年5か月後に症状固定になりました。
2.相談のきっかけ
Aさんの要望で、弁護士はAさんと面談し相談を受けました。弁護士は治療のために入院・手術を繰り返すAさんの相談に乗り、自賠責への後遺症の請求手続きや、相手方保険会社との示談交渉の対応を受任しました。
3.弁護士の活動
Aさんが症状固定となったので、弁護士は診療記録や骨折部分の画像を取り寄せ検討し、自賠責調査事務所に後遺障害認定の申し立てをしました。
Aさんは、関節機能に障害があり、左膝に人工関節を挿入置換しているので、第10級の「1下肢の3大関節機能に著しい障害の残すもの」に該当すると主張しました。右腓骨及び左腓骨の骨折についてはそれぞれ「局部に頑固な神経症状を残すもの」として第12級の後遺障害に該当すると主張しました。
これに対し自賠責調査事務所は審査の結果、頸部の外傷、右足関節の障害、左膝関節の障害等を併合し8等級の後遺障害と認定しました。
4.弁護士関与の成果
後遺障害認定が確定したので、弁護士は相手側保険会社と示談交渉に入りました。
示談交渉では、入通院慰謝料、休業損害、逸失利益が大きな争点になりました。
入通院慰謝料については、Aさんは瀕死の重傷を負っているので、重傷基準での金額に変更させました。
休業損害については、逸失利益については、Aさんは退院後も両下肢に固定具を装着して長期の自宅安静であったため、長期に家事が不能であったことを主張し認めさせました。
逸失利益については、相手方保険会社が労働能力喪失期間を5年間としていたのを、裁判基準である平均余命の半分の13年に変更させました。
損害賠償金額は、当初の相手方提示額より1253万円、率にして32%のアップとなりました。治療費、交通費を除いた手取り分では58%アップとなりました。
保険会社提案金額 | 和解額 | |
治療費、交通費等 | 1659万円 | 1659万円 |
入通院慰謝料 | 307万円 | 450万円 |
休業補償費 | 311万円 | 485万円 |
逸失利益 | 708万円(45% 5年) | 1644万円(45% 13年) |
後遺障害慰謝料(8級) | 830万円 | 830万円 |
計 | 3815万円 | 5068万円 |
5.弁護士の所感
Aさんは青信号の横断歩道を渡っていたのに、100%相手方の過失で重傷を負わされ、治療に2年5カ月を要したうえに重大の後遺症が残ってしまいました。
更に、本件は自賠責の後遺症の認定手続きに時間を要した上、後遺症の等級が重度のものであったこともあり、示談交渉まで1年5カ月もかかってしまいました。Aさんにとってこのほぼ4年間は他人には想像が出来ないほどの大変な時間であったと思われます。
示談交渉で、いくら多額の損害賠償金を得たとしても、失われた時間や健康は戻ることはありません。
しかし、法律的には蒙った損害を金額に換算して相手方に賠償させることしかできません。
弁護士は、被害者の損害を正確に算定し相手方に賠償を求めることで、被害者の損害の回復に努めることに最善を尽くします。

高の原法律事務所
所長 坪田 園子
代表弁護士である坪田園子は、「顔の見える関係」を何より大切にしております。依頼者とは、必ず直接お会いして、お話をじっくりとお伺いしたうえで事件をお受けしております。奈良の高の原という奈良の郊外で、地域密着の依頼者対応をモットーとしております。最初は不安な顔で相談に来られた方も、無事に解決した後は、笑顔になって帰られます。一人でも多くの方の笑顔が見られるように精進致します。ぜひお気軽にご相談をくださいね。